日本の子どもたちに顕著に蔓延しているある種の病気があります。勉強の目的が分からない。何をすれば
いいのか分からない。どんな人間になりたいのか分からない。これは２０才を過ぎても直らなくて、大量のフ
リーターや働かない若者が同世代の何割も存在するという現実になっているようです。理由原因は社会の中
に潜在していると思われます。初等中等教育、特に公教育の中で育まれた、過度の平等主義が原因の一つで
あることは明白です。いつのころからか、公立の小中学校では競争を極端に避ける環境が強固に形作られて
きました。その当時教職員に流行していた、ある種の運動がそれらを推進していたのも事実です。（特定の
団体名はあえて申し上げません）その結果、子どもたちの固有の資質や、能力は抹殺され、誰もが同じよう
なロボットのような顔つきで授業を受けたり、体育をするようになりました。誰かが抜きんでていることで
賞賛されるのではなく、人と同じようであることが要求されていたからです。目標という言葉は「目当て」
となり、手段、方法は「手だて」などという隠語で表されるようになったのも、そのころです。自分で確立
した目標や、目的を持ち、それに向かって独自の手段や方法を編み出すことなどとんでもないことです。教
員が定めた「目当て」にむかって、みんなが同じ「手だて」をつかって、同一の結論に到達するのが最善の
教育だと信じられていたからです。さて、昨今の教育現場はそういう悪しき呪縛から解き放された、自由な
環境に満ちあふれています。いまこそ、子どもたち、一人一人が、自分に似合った、思い通りの目標を設定
し、それに向かって個性を発揮し「自分探し」の学問やスポーツができるようにしてあげたいものです。
ご家庭でもそのための、我が子との会話を継続的にお願い致します。