先日新聞やテレビで報道された、先進国での国家予算に占める割合が日本は最低であるとの統計にはショ
ックを受けると同時に、昨今の学校の現状を見ていると、さもありなんと思いました。また、家庭が負担する教
育費は６０％近くで、韓国と仲良くビリ争いをしているようです。少子化で子どもの数が、かつての半分近くに
なった現在、予算もまたそれに合わせて下げています。４０人学級も２０年前と一緒ですから、人件費もかなり
減ってきているでしょう。昨今流行の民託で、給食、警備、学童擁護も全て民間に委託されて、その分の削減
された予算は他に回されています。　
　子ども一人が大学卒業までに家庭が負担すべき教育費は実に２千万円を超えると言われています。これほ
どの負担を国民に強いる国は先進国にはないのです。国公立の大学の授業料は毎年値上げを繰り返し、現
在では私立とあまり違わない水準になっています。国民が子どもを作れない背景は、こうした経済的な負担へ
のためらいがあるに違いないのです。
　それほどまで教育を軽視している国は、教科書の無償化まで最近は手をつけようとしています。いったい何を
考えているのだと、声を荒げて抗議したいのが現実です。郵便局だけをどうしよう、こうしようと言っている総理
大臣が圧倒的に支持される国の国民が当然受容すべき現実でしょうが、災いを受ける子どもたちには責任
のないことです。
　ＰＴＡ活動には様々な制約があります。学校の運営、人事には関与しない。特定の政党、宗教には組しない。
従って、政治の話はタブー視されてきました。あたりさわりない範囲での活動しかできない仕組みです。公立
小中学校のＰＴＡの連合体である、日本ＰＴＡ協議会は会員数１千５百万人を数えます。両親の数は３千万人
にもなるのです。これに全国公立高等学校の協議会を加えると、実に有権者の４０％にもなるのです。しかし
ながら、政治にもの申すことはしてこなかったし、してはいけないのが建前です。とはいえ、教育予算のこと
についてはそろそろ発言してもいいのではないでしょうか。